北越の旅編(北越雪譜)

 たくさんの感動をありがとうございます、是非見て! → http://prayforjapan.jp/message/
     北越の80日間/旅の終わり

80日におよぶ北越の旅はここで終わります
●厳しい雪の季節も眩しい青葉のころも美しい北越でした。機会がありましたらまた来たいとおもっておりますれば、その時には懲りずにお付き合いのほどお願いします。次の旅の準備をするために勝手ですが5日ほど休みます。その間に桜は東北の花となっておりましょう。//絵師 到

山口は葉桜となりました。各地の桜/がん
        ↓
http://www.youtube.com/watch?v=BDUd7Gy12bQ
             安寿と寿司王

中越市が建てた案内板によると標題は「安寿と厨子王の供養塔」となっていますが
●説明のほうでは安寿と姥の塔となっているからややこしいですな。厨子王が運を得て母を見つけ孝養をつくす話が浄瑠璃や説経節にある「さんせう太夫」で、それは凄惨な場面があるらしい。でも遠い記憶ですが森鴎外「山椒太夫」はとても美しい話だったように思います。//絵師 到
   
            記録

棟が傾いた家の記憶を残しておきたくて描いたから美術ではなく記録と言うべきでしょう
●富士山の麓に住むアサイサンが父上の77忌をすませて遺品を整理しているのだが、自分の大連の小学校時代の通知簿が出てきて手が止まった。我々の親は激動の時代を生きてきましたねえ。ゆっくり時間をかけて父上の一生を振り返って差上げるのがいいですよね。//絵師 到
 
            平民

先に百姓をいろいろな職業の総称などと持って回った言い方をしましたが
●まてよもっと良い言い方だったと読みなおしたら、網野善彦「日本社会の歴史」(岩波新書)では「平民」と簡潔に注書してましたね。古墳の頃には日本社会ではさまざまな職業が発達し海を自由に行き来した。大陸や半島と盛んに交流し百万〜百五十万人も移住したらしい。//絵師 到
   
             

映画「墨攻」の原作という森秀樹の漫画「墨攻」のラストは小説にはないもので
●戦国の中国を離れた二人がさきに日本へ渡った友人の道しるべに導かれて渡来する。彼らは友人が持ってきた草が青々と風になびく田の中で再会する。彼らの将来に幸いあれと祈らせる豊かなカットで、読者を慰めて終わる。この漫画家の想像力を大切と思うのです。//絵師 到
 
           歴史家

百姓のことを読んだのは網野善彦でこりゃあ面白かった
●ときどきめっぽう面白い本に出会うのですが、小説の「墨攻」(酒井賢一)は中国の戦国時代を書いて引き込まれたところ、なんとこれを漫画化したのが手に入った。すると中国で映画ができて先年日本でも上映されました。どれも傑作だったが特に漫画のラストがすごいの。//絵師 到
   
           S字構造

右の田と一段低い田を分ける畦が良い具合のS字になっていまして
●さらに森をバックに祠があるなんて、田畑を守ってきた人々の美的センスが伺えます。毎日お百姓は美しいなあと思いながら見まわるのだろうなあ、きっと。百姓というのはいまでは農業従事者だけを指すが元は様々な職業の総称だったと、あの歴史家が書いていたなあ。//絵師 到
   
            干網

絵を作るために構図を考えます
●普通は横に真っ二つにする÷=、≡は避け、なるべくならZやSで変化をつけます。しかしこの見事なジグザグ構造はどうでしょう。ここまで複雑になるととても創作ってわけにはゆきません。実景をそのまま戴いたからこその構図で、浜辺に高く干した漁網のようです。//絵師 到
   
            森林浴

満州の小学校で同窓のクボサンが家の中で森林浴ができそうね
●うん、たしかに。すごく良い空気を吸っているなあと思いますね。この辺りの人はたまに都会へ行くと人に酔うのだそうです。夕方には早く帰ろうという気分で、もし何日も居ると病気になるだろうと。田舎を維持するにはそういう人は貴重ですね。若い人はみんな出てくからね。//絵師 到
   
            葛根湯

単身経験の豊富なノグチサンが風邪のひきはじめには空腹+葛根湯⇒翌朝すっきりだと
●しばらく飲んでいないが、そういえば我が家の常備薬だったなあ。昨日はすっきりついでに家内を誘って小石川後楽園と靖国神社へゆきました。満開!素晴らしかった。いずれ絵でお見せします。日本画家は桜を描くのが上手いけど洋画では印象に残る絵がないよねぇ。//絵師 到
   
           山の学校

「たまご酒」4/3に六義園へ花見に行ったらとても寒く昨日は一日寒む気と熱と咳に悩まされました
●そこでここは伝統のたまご酒療法でゆこうとマグロのたたき+湯どうふ+お湯割りをやって10時間眠りました。途中で寝巻を2回も取り替えたのですがお陰で今朝はすっきりしております。この療法はどこにもあり、フランスはたまご+赤ワイン、ロシアではウヲッカだそうですな。//絵師 到
   
            コツ

ランを楽しむスミエサンが温室を掘り下げた時にネコ車が活躍した
●ひょいひょいと運ぶコツは容易に掴んだが、むしろ土の掘り方が難しかったと。崩して運ぶと土の体積が倍にもなってネコ車で運ぶ回数が増えるからです。なるほど、固まったままで積むわけだ。コツというものはどこにもありますね。この山田で苗を運ぶのを見たいなあ。//絵師 到
   
         番外/ネコ車

ネコ車とはどんなものか描いてみせよと え!ご存じないと言いながら
●先日の地震で石塀が倒壊した隣家の工事現場へ行って描いてきました。これに練ったセメントをのせて細い板のネコ足場をすいすいと渡る若い職人を見ていると「よおよお、お前さんも一人前だよな」と声をかけたくなります。けっこう難しいのですよこれを扱うのがですね。//絵師 到
   
            見回り

毎日感想を送ってくれるサワノサンが
●棚田は「いい形をしていますが耕し・田植・刈り入れ等いずれも作業も難儀をともないそう。多分、一筆書きに近い効率の良い順路があるのでしょう」という。おや見回る人がいるぞ。しばらく見ていれば順路が分かったろうなあ。軒下にある一輪車を小生はネコ車と呼ぶけど。//絵師 到
   
        棚田の春/山田

車で取材するときにはいつも助手席に乗ります
●走りながらもシャッターを切り続ける。するとタクシーの場合は「お客さんの撮りたいものが分かりましたよ」となるのです。今度の場合は「写真家が好む場所があるんですが行きますか?トンネルをくぐるんでちょっと距離がありますけど」「行く」と答えて来たのがこの山田。//絵師 到
   
         タイの農業

タイに居るフジイサンから戴いたmailを転載します。
●「日本の米作りは時期を同じく一斉にやるから 絵のような田園風景になるんですね。南の国の米作りは これが大違いで 農家の都合でいつでもイイ。刈り入れの田んぼの横で若い芽がスクスク育っていたりする。 //絵師 到
   
            順番

正直いうとこの日は5月4日でして
●手前の田には水が入り始めたが向うのほうはこれからというところが面白かったのです。米作りはなにごとも一斉にやらないといけないらしい。すると農家はみんな機械を買うわけですよねえ。時期がずれれば共用できるのになあ、と思いながら撮影したのを憶えています。//絵師 到
   
          田植え時期

いまお見せしているのは10年ほど前の5月初めに旅行した新潟県松之山の思い出です
●このあたりでは5月になると田に水を入れ、2週間で田植を終わる。だから水田に映る景色を楽しむのは5月いっぱいがいいところなのです。6月にはいると稲が伸びて美しい緑の田になる一方で水面が見えなくなります。さあ貴方はどちらをお好みですか。両方ねえ、うん。//絵師 到
   
            

水田という呼び方がよくわかる眺めです
●タクシーで棚田を見たいと連れてきてもらう途中ですがこう広くてはちょっと掴みどころがないですねえ。小生が好むはがきサイズにはおさまらない。いっそ横に2枚つなげて丹念に水の表情を描いた方がいいかしら。コシヒカリの本場は明日あたり田植が始まるのでしょう。//絵師 到
   
      棚田の初夏/建築様式

この辺りの家の建て方には興味をそそられるようでして
●2階から出入りするのか、壁板が取り外せるか、暗すぎないか、夏は暑いだろうな等々感想が寄せられました。たしかに板を取り外せるW回廊Wを持った豪邸は何軒か見ました。住み心地は分かりませんが雪の季節を第一に考えるのがこの辺の家の作り方なのでしょう。//絵師 到
   
          出入り口

この建屋はどう考えてもここから出入りするしかないですが
●ふつうなら出っ張った正面にあるはずの玄関がありません。ならば向うの側面にあるのかなあと、そんなことを考えましたが他人の家を覗くのはねえ拙いでしょ。まいいか、どう使おうと。この辺りの家が防雪林を持っていないのは数本の木ではとても防げないってことですか。//絵師 到
   
            素顔

いずれ雪化粧をしていない時季の家をお見せすると申しましたが
●このように腰が高いのです。窓や縁側がなく雪が積もる高さまでは板で覆われています。5月初め再訪した松之山では畑を耕し田んぼには水が張ってありました。雪の眺めに感動した遊子はここでも融けるような満足を感じたものです。畑打つ人はどう思っておいでだろう。//絵師 到
   
          松之山町

五月の松之山町はなにもないというのか田舎があるというのか
●そりゃあ素晴らしい山の田園風景が見られる。散歩するしか楽しみはない。たしか女子レスリングの合宿所があったように思うのです。伊達直人ふうにいえば虎の穴ですな。ここなら気が散らないでしょう。だから世界に誇る強いレスリング選手が育つのだといわれると頷く。//絵師 到
   
            理想

良寛に憧れることは自分を恥じることではないでしょうか それは実行不能な目標だからで
●遥か彼方に願いを持つから振り返って自分を恥じ身を節する誓いをたてる。あたかも仏教徒が不殺生戒を永遠に誓うように、われわれが憲法に第九条を掲げるように。遵守不可能なものを持つことを、尊いと思うのです。良寛自身が恥つつ生きた人だったと思うのですが。//絵師 到
           立身をいやがる

唐木順三がその著書「良寛」で
●「良寛にはどこか日本人の原型のやうなところ、最後はあそこだといふやうなところがある」と述べています。こんな人に憧れると「生涯懶立身」ということになります。困ったことです。でも憧れるところがありませんか。帰りなんいざ、故郷へ、絵を描いて暮らそうじゃないかと。//絵師 到
       スサノオ /出雲崎の夕景

夕方の道を車が1台走る 
●どうやら出雲崎も出雲連合国家の一員だったようですな。オロチ族の製鉄技術を手に入れた出雲は広く加盟を認めたので遠くまで加盟国があったでしょう。毎年10月に加盟国会議を招集し、神々が出雲に集まった。寒い高台で思うスサノオの時代の話、いかがでしょうか。//絵師 到
   
         吹雪の出雲崎

良寛が眺める冬の出雲崎
●晴れていると思えば吹雪く、この日の出雲崎は忙しかった。お陰で手前の吹雪を通して晴れた日本海の沖を眺めるという贅沢も味わいました。良寛像を検索すると沢山いますねえ、作った人が。平櫛田中なんかいくつも木彫で残している。いずれもしんみりと尊いものです。//絵師 到
   
          静かな姿

良寛堂は日本海を背にして建っています
●お堂を海側へ回ると今度は良寛様の座像が日本海に向かっています。良寛像は他にもありますがいずれも穏やかなお姿で、それらは彫刻作品ですけれど日本人が良寛さまに抱く印象が映されたといえるでしょう。ここからは夕陽照らす日本海と佐渡の島影が見えます。//絵師 到
   
     冬支度の良寛堂

昨日見ていただいた良寛堂が雪囲いで覆われている姿です
●生家である橘屋は庄屋で、ここは当時の跡地だそうですが広さはこの2倍もあったとのことです。良寛さんほど親しまれているお坊さんは他にどうでしょう、一休さんかしら。お大師様になると偉すぎて信仰の対象ですし。高野聖の元締め重源は見るからに大事業家だしね。//絵師 到
 
       良寛誕生の地

         絵の力
先日普通に生活している方々に交じって半日過ごしたら実にほっとしたものですから
●ことによると小生の変哲もないmail展覧会でも人を慰めることができるかもしれないと思ったわけです。沈んでいては力が湧かないと。思いを改めました。春の光の中で日本海を背景に建つ良寛堂はこんな姿でした。冬の間は雪囲いですっぽり覆われているのですけれど。//絵師 到
 
  被災者に詫びながら/良寛さま

電車が止まり一日中災害報道を聞いてすごしました
●被災者のことをおもえば停電の中でする夕食さえ贅沢なことです。山口の友人は水害時のことを思い出したそうです。絵で遊んでいる段ではないと思います。でもじっとしておれません。絵を描き送っているときだけ気が紛れるのです。被災した方々どうぞお許しください。//絵師 到  
 
          波/出雲崎

出雲崎は晴れていると思ったら急に雪が吹き付けて来るような天気でした
●荒波は一度くだけても勢いがまだおさまらないので二重の堤防が必要なのです。高台の良寛記念館から気が済むまで眺めて入った茶店のおばさんがこのあたりは雪さえ降らなければ良いところなんですけどという。冬はほとんどこんな天気なのだとも。もう少しの我慢です。//絵師 到
   
            停電

三陸を商売で走り回っていたころ巨大な防波堤のために海がどこにあるか分からなかった
●得意先の酒屋さんは昔あそこへ船が打ち上げられたと示したのは高い山の上でした。毎年突然サイレンが鳴って住民は山の上まで避難する訓練をしているとも言ってました。それほど準備して及びませんでした。もうすぐ停電します。展覧会も一時停止するかもしれません。//絵師 到
   
            準備

アメリカから電話がありこの規模の地震にしてこの被害で済んでいるのは
●日本の防災準備がよいからだとメディアが称賛していると。いやまだまだ被害の全体がわかるのはこれからです。いかに過疎でも壊滅した地域がこれで済んでいるはずがない。しかし準備ができていたというのも確かです。昔この辺りに酒を売っていたころの経験ですが。//絵師 到
 
      日本海/雪の晴れ間

地震お見舞い申し上げます
ひどい被害がでています 余震は一晩中続き今もゆれました
●凄まじい津波の様子がtvで放映されています。大勢の方が亡くなりましたが被害の状況はこれからわかってくるのでしょう。お宅では皆様ご無事でしたか。お見舞い申し上げます。私どもの家族は厳しい状況でしたがなんとか乗り切ってきています。小生ら夫婦は大丈夫です。//絵師 到
 
        越後の旅/越後平野

見渡す限りの田んぼに農家が点在する越後平野の典型的な風景 
●日本海の水を背後の森と丘陵で受け平野をうるおして海へ返す。海で魚を育て陸で人を育てる。日本の耕地割合は全国で12.36%、新潟県は13.9%で真ん中ぐらいですか。ありがたいなあと思いながらしばらく眺めていると眠気を催す。気楽な旅の贅沢を味わいました。//絵師 到
 
      ダム/頚城丘陵を抜けて

また愛称ほくほく線という北越急行に乗って日本海へ出ようとしています
●たっぷり雪を抱えた巨大な丘陵地帯を眺めながらつくづく思いました、巨大なダムだなあ。これほどの水を貯めることができる日本は恵まれていると。しかもそのダムは木々に覆われているのです。雪とともに暮らす人々は大変だけど国土としては恵まれているのだなあと。//絵師 到
 
         番外:雪降る

千葉でも雪が降りました
●べたべたの雪だったので融けないうちにと急いで取材、八手に積もったところを描きました。満開の河津桜やバラの蕾もなかなか美しいのですが描いていません。いささか雪景色に飽きてきたのでしょう。北越雪譜も明日は高柳町を出て日本海へ向かうことにしましょうか。//絵師 到
 
           はしご

どの家も出入口は二重で防寒と雪が吹きこまない構造になっています
●長い梯子がどの家にも備えてあるのは屋根に上るためでしょう。玄関を覆う屋根は人が下ろさねばならないでしょうが大屋根は傾斜が急だから雪が滑り落ちるように計算されているのではないでしょうか。つららがあるから熱で雪を溶かすし、というのは楽観に過ぎるかしら。//絵師 到
 
           道しるべ

田んぼの中を突き抜けるように人が通っている
●ということは雪が消えるとこれはあぜ道で小生が立っている道へ繋がっているのかな。こんなことを思っているとまた取材に行きたくなります。今度は「北越早春譜」なんてね。でも鍼医者で会う人がWここの雪はなかなか消えないんだよねWと言ってました。まだまだ先か。//絵師 到
 
            雪囲い

荻の島では小さい庭木にはこんな雪囲いをしていました
●太い木で三角錐をつくるのも冬がくるぞーと覚悟をかためる作業だったでしょう。でも家の前は庭をつくったという様子はなく農家らしい作業場と思われました。こういう家々にかこまれた地域は広い雪の原で間違いなくコシヒカリの田んぼ、周囲の林は里山というべきですか。//絵師 到
             家紋

荻の島で蔵を見かけるのは珍しいのですが
●家紋が複雑なデザインだったので梅鉢にかえました、勝手ながら。軒下の雪が盛り上がるように積もっているのは屋根から雪が落ちた跡なのでしょう。ずぼずぼと雪に脚をとられながら取材するのはそりゃあ楽しい。でもひとんちの庭先まで入り込むわけにはゆきませんで。//絵師 到
             山襞

ヒサダサンがくれた平山郁夫全集の宣伝用画集にはさらに付録として長い絵がついていて
●それは先生がスケッチブックを繰りながら描いた部分絵を繋ぎ合わせた長大な絵で、各ページの山襞までが上下左右にぴたりと繋がり既に大下図となっているのでした。今回の展覧会ではその完成品を見て力量だなあと感じ入ったのです。展覧会は3/6までの開催です。//絵師 到
            やったぞ!

取材と作画の間に時が経つとイメージに変化が起きるのは仕方がないと思うのですが
●この絵は写真の構図を変えずに描いたものでシャッターを押しながらWヤッタWと感じたのを憶えています。そこで先日見た平山郁夫展で思い出したことがある。20年も前にヒサダサンから戴いた平山郁夫全集の宣伝用冊子です。それ自体がもう立派な本になっており。//絵師 到
 
           イメージ

撮影は景色を絵に作り変える行程ですからシャッターを押しながら
●この景色はこんな絵にするのだと絵を想像で描いています。だから撮影そのものが楽しく構図も絵になっている写真が沢山あります。ですが困ったことはその頃の絵と今描きたい絵とが微妙に変わってきたということでして、また撮影のために同じ所へ行きたくなるのです。//絵師 到
 
            視点

取材の主たる方法は写真で
●見た瞬間に「絵になる」と感じたものを撮影する習慣ができています。写真の出来は問題ではなく、絵にしたい構図を思い出せればいいわけですからぶれたりガラス越しであってもかまいません。さらに最近はPCでトリミングしたり明るさを変えることさえ出来るわけでして。//絵師 到
 
        日本海の冬

もう1カ月も茅葺の家ばかり見てきたがこれからどこへ行くのだろうとお思いの方へ
●北越の旅は出雲崎へとつづき良寛さんの生まれ故郷を見るので、その景色を1点だけ見ていただきましょう。冬の日本海はねえそりゃあ厳しい。晴れていたとおもったら湿った雪がぴしぴしと顔をたたく。房総で見た花畑の太平洋との違いに旅をしたなあと思ったものです。//絵師 到
         春を待つ

窓を覆う樹脂の波板にも横の板壁にも雪がこびりついていました
●実は取材したのが冬の初めであって本格の降雪はこれからなのです。この地域ではもっと積もるに違いないというのは窓の覆い方を見て想像することです。そういえば札幌では窓にビニールを貼りつけた家があった。あれは雪対策と言うより寒さ対策だったのでしょうなあ。//絵師 到

コメントNo.2へ
          遠景

雪とけて村いっぱいの子どもかな
(一茶)
●雪が積もった家々では人々が暮らしている気配は十分感じるものの、この日の取材中には子どもどころか人をひとりも見かけませんでした。春になって子どもが走る景色を見たいものです。雪が多いと豊作といいますが、手前に広がる田んぼのコシヒカリはどうでしょう。//絵師 到
            本領

30点もの雪景色を描いてみるとそろそろ皆さん飽きてきたんじゃないかと
●でも北越雪譜の本質はたとえ飽きようと嫌おうとそれからは逃げられぬ雪の世界を描くことにあるのでして。覚悟めされよ。小生がよく行く鍼医者にこの地方出身の人が2人きますが、頚城丘陵の雪はなかなか消えないと懐かしさよりもうんざりという風情で話してくれます。//絵師 到
           たそがれ 

夕暮れになると人影もぼんやりしてきて「誰ぞ彼は」というから「たそがれ」だと
●他にも「彼は誰」から「かわたれどき」ともいうと読んだことがあります。たしかに夕方になると光が穏やかになって見るものがぼうっとしてきます。絵としてはメリハリがつけにくいのですけど。晴れたり降ったりの一日でした。民宿もあるようでしたが泊るのはどうかねえ。
//絵師 到

コメントNo.1へ
       休憩

北越雪譜はまだまだ続きますが一休みして最近買ったカメラの話です
●孫の早穂子を描いてPCに取り入れるために撮影しました。ところがカメラにはスマイルシャッターという笑顔を探して自動撮影する機能があり、絵の撮影には都合よくない。でもカメラには絵と人物の区別がつかない。いえ、決してそんな・・・自慢してるんじゃないですけど。//絵師 到
           神社

神社にお参りしようかと思ったけど雪が深くて近寄れませんでした
●昨日ご案内したガンサンのブログを見たというmailはすべてガンサンへ転送しました。ガンサンは届いた絵をそのまま採用すべきではないか背景に手を加えてもいいかと葛藤の中で作業しているとのことでした。いや有難いことです。BGMまで考えてくださるなんて望外です。//絵師 到

今日は編集なしで素のままです。
//編集子
         威力

背景が威力を発揮する例がありますのでインターネットで検索してみてください
●「絵師到」で調べると小生の絵を「南紀」「房総」「木曾路」などシリーズ別のほかに「北越雪譜」を毎日更新してくださっている。このガンサンのブログでは色紙を雪の結晶千代紙に替えた背景が絵を引き立てるのがわかります。ほとほと感心させる技術を会得していますね。//絵師 到

http://gannkmr.web.fc2.com/bijutukann.html
        マッティング

油絵の額には額縁と絵との間をとりもつ飾り枠を着けて売るのが普通ですが
●水彩額にはそれがついておらず額縁屋で厚紙を選び大きさを指定して裁断してもらいます。この作業がマッティングでして絵を引き立たせる重要な仕事なのです。いま毎朝お届けする絵の背景に色紙を配しているのはそのマッティングの簡易法なのですがいかがでしょう。//絵師 到

今日は飾り効果を外してみました。
//編集子
          絵空事

思いっきりの絵空事を描いてみました
●さらに空の色を強調するためにブルーの背景でいかがです、というぐあい。小生はアトリエで額縁も手彩色してあげることがよくあります。白木の額にアクリル絵の具で彩色すると、まさにonly one の絵になるのでとても喜ばれます。花嫁に花嫁衣装を着せるようにね。//絵師 到
           額縁

絵は絵空事だからね と先生に教わったことを絵だけでなくバックにも考えています
●昨日の絵はお年寄りが中心にいたので色調を優しくして、さらにバックにピンクを用いて温かさを演出しました。今日は降雪の絵ですからご覧のように厳しさを感じさせる色にしました。額縁は絵の衣装というわけで、画家によっては特定の額縁作家に作らせるらしいのです。//絵師 到
 
           記録的

数日前朝日新聞に掲載された写真記事の一部を描きました
●まさに北越の十日町ではこんな状態との記事で、観測史上最大の降雪というのです。このあたりは織物が盛んで「北越雪譜」の著者鈴木牧之はその問屋の主人だったようです。そういえば小地谷縮みという織物がありましたが、あれは夏向きの生地じゃなかったかしら。//絵師 到
            荻の島

荻の島とは名前からして人里離れた集落です
●ここ3日間の画像がどこかぼーっとしています。カメラを替えたらPCに取り込む方式も変わったのでマニュアルを見ながらの作業です。それでも画面に沢山の指示が出るからあてずっぽうにクリックしています。原因は操作の不正確と思いますが時代についてゆけません//絵師 到
           雪と過ごす 

千葉でも昨夜から雪となって
●いまは止んでいるようですが道や庭木が白く見えます。子どもたちが登校を始めるまえに雪掻きしておかなくちゃ。小生の生活は雪から身を避ける方法だろうとおもいますが、北越の人々は絶対に逃げられないから雪と過ごすことになりましょう。今ごろどうしているだろうか。//絵師 到
             23豪雪

●いまお送りしている絵はちょうど10年前、平成12.12.27の記憶によって描いています。今年はまた凄い降雪と報じられていますから住む人はたいへんでしょう。ここ数日南国房総でも雪が降り寒い日が続いています。皆様どうぞ気をつけて無事に春をお迎えくださいますよう。//絵師 到 2011/2/14
             雪見物

●まだまだ雪景色が続くのですが、大雪のなかで冬を過ごすのは大変だろうなあと思います。すみませんねえそんなところへ見物に来たりしてと描きながら謝りました。今年はまた凄い降雪とTVが言っています。//絵師 到
 
       思いで酒場

「すも〜き〜」に期待通り沢山の返信をいただいたから嬉しくなって
●飲み屋の話を続けます。山口県の防府で過ごした6年間によく行ったのが「更科」と「山賊」で毎晩というほど行った。その後転勤のたびに店はできましたが、いまでも新橋の「じゃんぼ」に毎月行くってのはね、長年わが社の焼酎を売ってくれているお礼の意味があるのです。//絵師 到

          はははは
 
札幌の ヒサダサンが紹介してくれた店で名門企業の支店長が「寒いですよねぇ」と
●凍えたように背をまるめて言いました。冷え切った巨大な支店長社宅は温めるのに時間がかかるというのです。小生はカウンターの端の指定席で壁に背を預けて「はははは」と余裕を見せて笑ってやりました。そんな社宅は売ってマンションに移れ。総務課長にやらせろよ。//絵師 到
           おもいで

久々に北海道の冬を思い出しました 単身赴任のイメージは
●冷え切った部屋に帰ってコートを着たままストーブの前にしゃがんで温まるのを待っている―ものでしたが、入ったのはアパートの最上階で下からの熱が部屋を暖め自分はストーブをつけなくてもいいほどなのです。でも名門企業の大きな一戸建て社宅だとそうはゆかない。//絵師 到
 
          温かい家

雪に囲まれると家の中はほっと温かいと秋田育ちの人がいう 洒落ではない
●雪が断熱材となり防風の役も果たしてくれるので家の熱が逃げないということかな。北海道では新しい建築法によってつららをほとんど見なかった。でもここではどこの家にもあるから茅葺では家の熱が外へ逃げるのだろう。その程度の温かさがほっとという表現かしらね。//絵師 到
 
            荻の島の家

ここの家は周囲が板壁であり窓も小さく縁側がついた家は見当たりません
●さらに家の軒下に柱を立てて板をはめ込み雪が直接家に当たらないようにした家がある。高下駄を履いたように背の高い家も多いのでいずれ描いてお見せします。雪が積もっていると分かり難いのですが近くの松之山町へ初夏の頃に行き裸の家を見て得心したのです//絵師 到
            雪の形

雪譜には雪の結晶図が載っていると言ったろうそれを描いて見せろ とな
●よろしい雪譜自体が他の図からの写しというからこれは孫引きだが。顕微鏡(むしめがね)でみるとこうなると書いてある。200年前に虫めがねを顕微鏡と書いたらしいね。著者の鈴木牧之は絵も上手かった。この本は大人気となったがそりゃあ珍しい話題満載だからね//絵師 到
           稲架が残る

稲架が雪の中にぼうっと見えましたがそこは絵師の裁量で晴れ間にかえてお見せします
●このあたりは雪の多いところと思って来たのですが実は米どころだったと思い出したのはこの稲架を見たときです。そうかコシヒカリの本場だったなあ、集落が囲む広場は田んぼだったんだと思いながら歩きます。しかし商店も学校も見当たりませんでした。ただ雪の世界で。//絵師 到
            故郷雪譜

十日町盆地の西側にある頚城丘陵が旅の目的地で
●雪を漕ぐようにしてたどり着きました高柳町荻の島。茅葺の家がぐるりと広場を囲んでいました。先ずは集落を一周歩いてみましたが人には会いません。そりゃあそうです雪の降る山里ではなにが面白くて歩きまわるものですか。でも絵にするには恰好の眺めなんですよ。//絵師 到
 
           山言語 

北越雪譜に山では里の言葉を使うと山神の崇りがあるとして紹介している山言語があります
●米=草の実 味噌=つぶら 塩=かへなめ 焼飯=ざわう 雑炊=ぞろ 好天気=たかがいい 風=そよ 雨や雪=そよがもふ(舞) 蓑=やち 笠=てっか 人の死=まがった 男根=さったち 女陰=熊の穴 上手い表現もあるが熊の穴とはもう少し言い方があろうに。//絵師 到
         高柳町荻の島

大雪の歳末に吉方(えほう)の窓を破って雪がなだれ込んだ
●雪と一緒に福一という座頭が転がり込んだので怪しみ怒る人々へ福一が即興の歌で応えた。
 吉方から福一というこめくら(米蔵)が入りてしりもち(餅)つくはめでたし
主人は喜び褒めて羽織を与えた。この年うまれた初孫が7歳になったと雪譜にある。
//絵師 到
   
北越の山道を超えながらタクシーの運転手が話す この前まではですねぇ
●この辺りの人は病人が出ると橇に乗せて峠を越えて運んだのです。田中角栄が道路を作ってくれたから自動車が使えるわけで、だからこの辺の人は田中という名前がつけば投票します、娘だろうと夫だろうとね。雪譜には18丈(54m)もの雪積があったと書いてあります。//絵師 到
 
「北越雪譜」は実に沢山のことを教えてくれます 
●悲惨で紹介したくない話も沢山ありますが、これは楽しい「熊に助けられた」話。吹雪で潜りこんだ穴には熊が居て温め掌についた蜂蜜を舐めさせてくれ一緒に暮らす。晴れてから歩ける道まで連れて行ってくれたので帰ったら、家では49日が済んでおり幽霊と間違われた。//絵師 到
      二番ホームの客2

北越雪譜はまさに雪国百科全書で雪の結晶図にはじまる挿絵もすごい
●そこへゆくと昨日の絵はメルヘンチックで緊迫感に欠けると。よろしい描いてみましょう、ご要望に応えるのが絵師の勉めなれば。と、こんな具合ですがこれ以上やると絵としても成立しなくなります。でもほんと雪は凄いですから南国の方たち分かってくださいと雪譜はいう//絵師 到
      二番ホームの客

雪を見たいとの一心で「北越雪譜」をここまで忘れていたのは不甲斐ないことで
●JRから北越急行に乗り換えたときに向うのホームにいる人に気がつきました。吹雪のために微かにしか見えないのです。こりゃあ雪国は大変だなあ、だのにそのことを楽しみとして見に来たのが申し訳ないと。せめて人ははっきり描こうと雪を小降りにしたのがこの絵です//絵師 到
 
           北越急行

雪の北越に来ました
●これまで何度か来ておりますが今回は雪の季節をお届けします。愛称ほくほく線という2両編成の北越急行は猛烈な雪の中を走っていました。単線の駅ですれ違う対向車両が突然雪の中から現れる。見た通りではまっ白な絵になってしまうので少々厄介な絵描き旅です。//絵師 到

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