百花園納涼ほか


これらの作品は、2011/09/16から10/20までの毎朝 絵師到画伯から配信されてきたものです。

             向島百花園

緑 緑 緑 山と海 巨木と水田の出羽から帰ると厳しい残暑が待っていました
●よろしいここはひとつ江戸庶民をまねて百花園に納涼としゃれてみようじゃないの。ほほう粋な門にはつっかい棒がありますなあ。額には「花屋堂」ね、蜀山人の書ではありませんか。左右の門柱には「東西南北客争来」「春夏秋冬花不断」と達筆で。作者は知らない人ですよ。//絵師 到
             一町歩

東京の庭園は大名か財閥がつくったものばかりですがね
●そのなかでここだけは庶民が作ったのですよ。売店のおじさんが言う「熊さん八つあんでも入れた」と。大きさはかわらないの? ええ、昔っからこのまま そのころの絵図を見ると周りは田んぼですよね そう、だからちょうど一町歩なんでしょう 客がいない昼下がりのこと。//絵師 到 
               少年

茶室へとつながる飛び石の上で頑張る石が少年のように見えまして
●数日前から宮本輝の読書録「本をつんだ小舟」を拾い読みしております。その中に「ジョニーは戦場へ行った」に関する一文があり、小生も若い頃に受けた衝撃をまた思い出しました。いまこうして絵や文章を見ていただけることがどれほど幸せかと想わずにいられません。//絵師 到

               洒脱

ひょうたんが一つだけ下っていました
●百花園らしい洒脱な絵にしたいと思ったのですが、描く者の性格が洒脱でないとそうはゆかないものでして。瓢箪本人の姿から想像してください。ユウサンの自然学散歩23「白いピラミッド・甲斐駒ガ岳」写真2枚と地質図つき届きました。ご希望の方ご一報次第転送します。//絵師 到
              路地琴

甕に竹筒をつけたものが置いてありまして初めて見ましたが
●添えてある柄杓で皿に水を垂らして竹に耳をあてると ポツーン チョビーンと音が聞こえる。ああ水琴窟の変わり種だ。江戸の人たちってのはいろいろ工夫して楽しむのだなあと、妙に感心してしまった。一体これは昔からあったものかしら、こんど行ったら訊いてみよう。//絵師 到
              ラムネ

見るたびに手にしたくなるのはビンが秀逸な恰好をしているからでしょう
●満州ではビー玉と呼んでいたガラス球を引き揚げてきた熊野の三輪崎ではラムネと呼ぶのです。ビー玉遊びをしようというときに土地の子らは「ラムネしょうら」というのでした。ユウサン夫妻が毎日新聞長野県版のコラム「人ふでがき」に紹介されました。ご一報あれば転送。//絵師 到
           橋から見る橋

この橋は手前の石橋から眺めただけで渡ってはいませんが
●昨日は家内がかかりつけの病院へ行く日でした。台風が来ているから早く出かけ早く帰ろう じゃあ僕がついて行こう ついて来たって台風は来るよね 本当だ危険が倍になるだけだ と言いながら 早く出かけたのと運よく雨の降り間を縫うことになって濡れずに帰りました。//絵師 到
          マリヤと曲芸師

宮田晨哉先生の展覧会で曲芸師と涙するマリヤの絵を見たときに
●先生はクリスチャンでいらしゃいますか そうではないが美校(芸大の前身)を出たときにいよいよ自分も絵で食っていくという覚悟を固めた絵でね 実際に厳しい世界でしたか 梅原龍三郎教室を出た大勢の卒業生でも生涯絵描きで過ごせたのは5人しかいなかったねえ。//絵師 到
              一つだけ

絵師として生きることを決意したとき宮田先生が思い浮かべて描いたのが
●捧げるものをなにも持たぬことを嘆きつつ披露する曲芸をご覧になったマリヤ像が涙をながしたというフランスの伝説でした。この話はオペラにもなりましたが、バーバラ・クーニーの「ちいさな曲芸師バーナビ―」は特に有名で、絵がとても美しかったのをよくおぼえています。//絵師 到
              釣灯籠

こんな飾りが藤棚だけではなく百花園のあちこちに柱を建てて釣ってあるところが
●庶民の庭ですなあ。大名庭園にはない風情で。そういえば路地琴は最近開発された飾りで町の路地に置く運動をしている人のブログがあると、マツイノブユキサンが調べてくれた。マツイサンとは新橋のママが病気になってから会ってない。ママの早い回復を祈っています。//絵師 到
              夏の名残

秋めいて残暑の庭園散歩もそろそろ似合わなくなってきましたねえ
●数日後にナカムラユウサンご夫妻と山口から来るナカムラガンサンと安曇野で遊ぶことになっています。紅葉が始まっているといいんだけどなあ。ユウサンの自然学24「鳶山崩れ・その@崩れは如何に起きたか」届きました。ダイナミックな地球の動き。ご一報次第転送。//絵師 到
            萩のトンネル

百花園には名物の萩のトンネルがあるのですが散歩した時はまだ花が咲いておらず
●ノウゼンカズラぐらいじゃなんか色気に乏しいなあ。昼下がりのいつもなら昼寝のころだけど、のんびりした時間を過ごす癖がついてしまった。おや藤棚のあたりに薄いピンクの花があるぞ。ただ草としか見えないものにも名が表示されているから見に行こうかぶらぶらぶらと。//絵師 到
               ひる寝

ほかには客も居なかったので水際の涼しい藤棚の下で横になり暫らくうとうとしたら
●とても静かに感じましたね、虫の音が聞こえたはずですけど。立原道造もたしか「草ひばりのうたひやまないしづまりかへった午さがりの林道を」とうたっているし、マンガでは静かな場面にわざわざ「シーン」と書いていますから。音と静けさには面白い関係があるのかしらね。//絵師 到

              日本橋

百花園には沢山の句碑や石碑がありましてこの横には月岡芳年の碑が立っていました
●案内によれば模造品であろうとのことですが石橋時代の記念品。鉄橋になった日本橋の飾りはこの後で見ていただくこととしてこれから安曇野へ遊びに行ってきます。ナカムラユウサンとナカムラガンサンと会う約束です。多分2日休みます。勝手をいいましてすみません。//絵師 到
             今の日本橋

昔の日本橋が出たので地域の同窓会誌に描いた今の日本橋も見てください。//絵師 到
●作者のことば:今号は大学院ファイナンス研究科がある日本橋校に取材しようと考えましたが絵にしたいものが見当たりません。仕方がないなあと日本橋をぶらぶらすると、欄干にいいものがある。昨年の11月号に早慶戦の戦勝祈願で登場いただいた金剛神の作者岡崎雪聲の彫刻がありました。これは縁起が良い。この麒麟に登場してもらったら秋の早慶戦に勝てるのではないか。ねえ、そう思いません?思って下さい。
             玄関美術館

美しい安曇野の絵にかかる前に手持ちの早穂子の絵などご覧ください
●もうすぐ3歳、一生分の親孝行をするという年齢にさしかかりました。これまでに描いた肖像画は170〜180点にもなりますか。最近の絵で埋めた玄関美術館はたまに来られるお客様に「あら可愛い絵、お孫さんですか」とお世辞を強いる装置となっていまして、すみません。//絵師 到
              ゆかた

ゆかたを着てお祭りに行く早穂子は大喜びでした
●和装が好きな家内のプレゼントです。そこで落款も家内の「明」にしました。ユウサンの自然学25「鳶山崩れ・そのA際限ない治山事業」こんな工事が行われているのか。これまで読んだことがない方にもこの写真だけでも見ていただきたいお薦めの1編。ご一報あれば転送。//絵師 到
             するどい!

身辺に取り込みがあるので描きためた孫の絵で日にちをかせいでおりますと
●可愛いと言って下さる方もおいでるのですがニシカドサンは「孫の顔にはオテアゲのようじゃな」と。たしかに、どう描いても似ないのさ。こんな顔じゃない、もっと可愛いのだよと思うんですよねえ。起きてる時の80%は笑っていると娘がいうその笑顔が描きたいのですけど。//絵師 到
              もう一つ

もう一つ早穂子を見てください
●身辺が忙しくなりましたので勝手ながら休みます。そう長くなるとは思いませんが、何日になるかは分かりません。2,3日したら一報いたしますればお許しください。気候不安定ですので皆様どうぞ体調にお気を付けください。根本さん今日の俳句これの返信で送ってください。//絵師 到
           季節外れですが

描いたままでお見せしなかった絵がたくさんあるのです
●この春は花見をするのも心咎めるものがあり仕舞いこんでおりました。でもそれなら忙しくてもお届けできるので紅葉の時季にはどんなものかとおもいますが、記憶遺産から引っ張り出してきました。江戸の春をご覧ください。これは六義園か。いやあ年代には敵いません。//絵師 到
            極めつけの桜

江戸にはソメイヨシノが多く人気もあるけれど でも六義園のしだれ桜は別格です
●よく残してくれました、この庭を造った柳沢吉保でもこれほどの花は見られなかったでしょうから。さて自然学ではありませんがユウサンが安曇野の民俗学に遊んだコラム「信州・安曇族の謎」が届きました。安曇は海人の世界だったという実証の散歩報告。ご一報即転送。//絵師 到
            六義園の橋

この橋渡っちゃいけませんと表示がありました
●そう言えば庶民の庭園である向島百花園にも似た橋がありましたな。ユウサンご夫妻は今日安曇野を撤収して山口へ帰るそうです。半年間の安曇野滞在とは素晴らしいですね、良い思い出となりましょう。自然学26「雨飾山と百名山事情」が届きました。ご一報次第転送。//絵師 到
               茶亭

広い池の向うに赤い毛氈がきれいですねえ行ってみましょ
●お茶をいただいているとご婦人が話しかけてきました。串本からでてきましてね ほう紀州ですか はい、苦労して作った財産を国際的な詐欺にかけれられて失くしたの で毎日ここに来るんだ それだけね楽しみは それはそれは・・・ お茶ってけっこうほろ苦いものでした。//絵師 到
             こだわり

細部にこだわるのは大切ですねえ ひとは何を見るか分からないから
●けっこう面白かったんですよ、石組がですね。六義園を造った人のこだわりが現れているでしょ。このときの写真に何枚も残っていて絵まで描いたのは小生が余程感心したってことでして。いま東京で石畳が流行ってきてるのご存知?まあこれと石畳とは違いますけれど。//絵師 到
            道は後楽園へ

六義園の敷石が出たので後楽園の道も見ておきましょうか ところで
●昨日は河野元昭先生にお誘いいただき千葉市美術館で始まった「酒井抱一と江戸琳派の全貌」展を見て開会式にも出席。充実の展示だけでなくTVや美術書でしかお目にかかれない先生方に紹介していただきました。ありがとうございます、初めて見る楽しい世界でした。//絵師 到
           ついでに階段も

後楽園はとても大きくて今の区役所あたりも公園だったらしい
●でも野球場や遊園地はいま大切な庶民の夢の場ですから、東京の公園として役割を果たしているのか。などと石段を上っていたらお誂えむきに椿が落ちていました。公園を作るのはこういうことなんですねえ、隅からすみまで気を配る。それってやっていて楽しかったろうね。//絵師 到
             たはむれに

昨日は飯田橋で用をすませてから信濃町までうろ覚えの詩を吟じながら歩きました
●このところ静かな生活をしているためか声がかすれているので発声練習のつもりです。東宮御所の正門で姿勢を正して唸りましたら警備員が「?」だって。ま、江戸の恥はかき捨てさ。    
  たはむれに母を背負いてそのあまり
          軽きに泣きて三歩歩まず  啄木     
//絵師 到
              より道

昨日啄木を唸りながら歩いたといった辺りへ絵もちょいと寄り道しましょう
●飯田橋から市ヶ谷、四ツ谷へとお堀端を歩き迎賓館前の鈴懸けの並木を見ながら公園で一休みする。迎賓館と東宮御所にそって信濃町へ滅多に人に会わないが門には警備員がいるうえに向かいには交番もある。それがなかなか洒落てて、左に外苑の森が見えます。//絵師 到
              より道2

どうせ急ぐ旅ではないからゆっくり寄り道を楽しみましょう
●都心の午前です。迎賓館から東宮御所へとえんえんと続く道でプラタナスや銀杏の並木が少し色づいていました。たまにすれ違うとしてもジョギングの人ぐらいで、それを眺めるのも楽しいな。背の高い外国人女性が ゆさゆさゆさ はっはっは ゆさゆさゆさ はっはっは。//絵師 到
          より道3:鈴懸の径

国賓を迎賓館へ導く道は亭々とそびえる鈴懸の並木です
●鈴懸っていうと小生なんか鈴木章治のクラリネットを思い出すのですが、貴方は?ははあ灰田勝彦ですか。いいねえこの歌は、立教大学の第二校歌といっていいんじゃないですか。 ♪友と語らん鈴懸の径 通いなれたる学舎の街♪ 立教大学のイメージを決めましたよね。//絵師 到
           「彫刻ですか?」

迎賓館前に何やら不審なコンクリートのかたまりがありました
●戦い敗れた八面大王の石碑のようであり壊れた橋桁のようであり彫刻と見て見られぬこともない。取敢えず描いてみると結構面白いのですね。ユウサンから自然学散歩27「最後の山歩き」届きました。ご一報即転送。またどこからか続編が送られるのを期待しております。//絵師 到
          ユウサンへの お土産

ユウサンご夫妻は安曇野だけでなく木曾路でも鳥居峠を越えたと聞いています
●木曾の紅葉を描きましたのでお土産として送りますね。木曾路の秋の美しさには先年ケイキョウサンと歩いてただ叫び続けたものでした。あの後ケイキョウサンが纏めてくれた画集「御嶽山を眺める旅」を有難く見ています。自分の絵を見るのは楽しいんですよ、内緒だけど。//絵師 到
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