羽黒・黒川能を訪ねて

絵師到さんの最新作をご紹介します。絵師ご夫妻は2011年の初夏、山形県鶴岡市周辺への旅をされ奥様は俳句を、絵師さんは黒川能を始め周辺の絵をものにされ多くの仲間に毎朝配信してくださいました。先日一区切りついたようなのでここにその全容をご紹介させていただきます。絵もさることながら軽妙洒脱なエッセーもまた味があります。//2011/09/18 ガン

            
             土俵入り


黒川能を見よう夏の羽黒山を歩こうを合言葉にした旅の始まりは東京駅
●設計者の辰野金吾は相撲好きで後にフランス文学者となる息子隆を大相撲に入門させたことがあるほどだった。ほらドームを両脇にした東京駅は横綱の土俵入りを思わせるじゃないか、と建築探偵藤森照信が言ってます。とするとこの北口は太刀持ちの大銀杏ですか。//絵師 到

             
             五重塔


今回の旅の目的を先にお見せするとこれです羽黒山の五重塔 山形へは
●新潟まわりなのだが席が二階建車輛の一階だったので空いた頃に二階へ移る。おお広いぞ、青田に夏の雲だ。ところが夏雲を見ると引き揚げて来た頃のことを思い出してしまう。さらに学生時代のことや若く亡くなった母のことも。思い出すに止めるため一枚描きますか。//絵師 到
              
              青田

思い出を思い出すだけにとどめるコツを先ごろ熊野の旅で会得したのでやってみますね
●梅雨暮るる 子は安保反対のデモに行き 壽栄子  
  母は河田町の病院に入院していた
 明日切らる身をいとおしみ浴衣着る    壽栄子  
  その手術室から帰らなかった
 散歩するこの道ひとり 青田かな      泰石   
  父母は散歩が好きだった  //絵師 到
             
             海岸線


新潟からは白新線〜羽越本線と日本海を見ながらのお弁当タイム
●目的地は鶴岡で、鶴岡と言えば庄内藩、庄内藩といえば藤沢周平の海坂藩と三段でもう一つの世界へ入ってゆくのはなんだか夢を見ている気分です。ユウサンの自然学15「焼岳が造った上高地の地形」美しい写真とともに届きました。ご希望あれば一報次第転送します。//絵師 到

            
             鯉川酒造


夏雲に魅せられたらしいなとのmailをもらいました ええ房総と違う空ですよね
●仙台支店の酒類部にいたころ山形は職場だったからこの辺りには思い出があるの。鶴岡のバスで看板を見つけた妻が「あ、鯉川酒造!」という。創業300年鯉川酒造の蔵が「男の隠れ家」8月号の表紙になっています。会社で同僚だった佐藤一良社長も元気そうで。//絵師 到

             
              別嬪

鶴岡のホテルで日本海の刺身を頼み鯉川酒造の「別嬪」という酒をしっかり飲みました
●翌朝はご機嫌な目覚めです。明るくなるのを待って一人散歩に出るとさすがは穀倉地帯、巨大な米蔵がたくさんあります。まだ眠る蔵の上に、これはこれは別嬪な雲ではありませんか。家内に見せたいとも思いましたが、いや絵に描いて見せよう。今日は羽黒山日和だ。//絵師 到
             
              随神門

五重塔へ行くにはバスを途中下車するのですがそこまででも小1時間かかる
●満員だったら困るので始発の30分も前にバスセンターへ行ったら係のお姉さんが 大丈夫です空いてますから でも今日は花祭りですよ はいそれでも ゆっくり乗れるという。一番に乗ったといっても乗客はわれわれだけ。雲がかかる月山を見ながら五重塔前にきました。//絵師 到

              
              門前

殆どの人は真直ぐに大神殿がある山頂へ行ってしまうようでここには人の気がありません
●随神門そのものだって小さくなんということもないのですが、ただその向うにはなにかが立ち込めて踏み込むには勇気が必要です。気を逸らすべく門前にある小さな神社に目をやればこれもW何かが違うW。その何かを描けないのは力量の問題でもどかしいものがあります。//絵師 到

          
           強引だったですか


先に随神門から入っていた家内が戻ってきて「あんな急な坂を降りるの」と
●なぁるほど巨大な杉の木が並んだ林の中を転げ落ちそうに急な石段がずうっと下まで続いています。でもここから300m先にある五重塔を見るのが小生の目的だからね、見なきゃ来た意味がないじゃないの。「気をつけてゆっくり降りよ」ってちょっと強引だったですかー。//絵師 到

             
              三ツ星

しめ縄を張りたいほど大きな木の間を谷底へ落ち込むように続く石段は
●一段の幅が狭く踵がひっかかるので気をつけねばなりません。折角の三つ星の景観をゆっくり眺めるゆとりがないけど、ここは観光道路ではない、神域なのだから頭を下げて歩くことに専念しよう。ユウサン自然学16「乗鞍高原の成り立ち」届く。ご希望の方へ転送します。絵師 到

              
              異界


石段をずいぶん降りたところで右手に川が流れ滝と大杉がありそれぞれの前に祠がある
●なんだか怖くて近寄れない感じがします。間を隔てる石橋近くの桜には帯掛けの桜と表示がある。間違いないここは修験者が山に入る前に身を清めるところだ。うっかり二人だけで橋を渡ると戻れないようで戻ってきました。ああ、この感じ以前恐山で味わったあれと同じだ。//絵師 到
             
              しめ縄

石段を降りきったところに幹の太さ10mのWじじ杉Wがあり前まで参道がつけてある
●ここには描かなかったが柵で囲み賽銭箱まである。ほおぅ!爺さんとはかくも尊敬されるものなんだ。酔っ払って新橋あたりをふらついていてはいかんぞナご同輩。なに、お前に言われる義理はない?いやいやご同輩、小生は知っているが貴方の酔態はしめ縄ものですぞ。//絵師 到

              
              山の神

じじ杉から五重塔が見えたので「おーいメイコサン五重塔は近いぞ」と励ます
●人前で女房を呼ぶのにサンをつけるか、と言われたことがあるけどしょうがないです高校時代からそういう呼び名なんですから。それにここには他に人がいませんで、ましますのは神様だけでして。巨大な木に囲まれて神の気配のなかにわれわれだけが居るってすごいです。//絵師 到
               
               

梅原龍三郎の「天壇」が右に傾いているのは”眺めているとそう見えたからWだそうだけど
●さすが雲の流れる速さまで表現し得ている。やはり塔は真直ぐに描いたんじゃ曲がない。そこでちょい右に曲げてみました。ただこちらは周囲が空ではなく深い山と巨木だということで、いかにも日本古来の感じです。天の意思で支配するのではなく包み込まれるような何か。//絵師 到
            
            木のかたまり


五重塔にもっと近づくとなんとも飾り気のない木を組み合わせただけという風情
●彩色したこともないのか、洗われ吹きさらされた木の肌がざらざらと見えます。質朴とでもいうべきかここまでくると庇に下った風鐸さえも過剰な飾りと見えて来るから不思議です。まあここに朱や金で彩られた塔を想像するととても似合わないのでこれで十分に満足しました。//絵師 到

            
            苔むす灯篭


昨日のこと 原稿をもらって配信している「根本二郎自註俳句日記」が満2年になったので
●根本さんと我々夫婦の3人で荷風の街市川を吟行しました。白幡神社〜商店街を歩き荷風が死の前日まで通った大黒家のW荷風セットWで日本酒。
いやあ昼に飲む酒は美味いです。

広島忌荷風が通ひし店にゐる  いたる      //絵師 到
           
          ケッケッケッケッ


苔むす灯籠は角度をかえると笠を傾けて笑っているW爺様Wに見えました
●ユウサンの自然学17「コマクサの悲劇」花の群落写真とともに届きました。ご希望の方、転送します。東北で得意先の社長が語ってくれたこと:高山植物を盗って罰金刑になったが、一括納入を認めず2年半の月賦で持参する度に半日説教されるのです。それが辛くてねえ。//絵師 到

             
             不思議


ここであまりゆっくりすると黒川能の奉納に遅刻する
●五重塔から右へゆく道があるのでぐるりとまわって随神門へ戻ろう。たぶん再びここに来ることはありますまいといいつつ振り返りました。いま想うと五重塔が神の息吹のなかに立っているのに、でもそのことに少しも不思議を感じなかったのねこのとき。不思議なことにね。//絵師 到
              
              畏怖


このあと頂上へは2千段もの石段を上らねばならないので引き返しました
●熊野の那智山では隣り合わせにでも神社と寺が別にあったから切り替えができた。でもここでは仏像が300体も捨てられ寺はない。神の息吹が充ち満ちている山の中に五重塔だけが毅然と建っており、その前で畏れを感じる自分がある。なんとも不思議な体験をしました。//絵師 到

            
             白山遥拝


昨日の坂は山頂まで行けるのですが1時間ほどかかるので元の門まで戻ることにしたら
●下るときには気がつかなかったところがありました。ここだけ空が開けて白山遥拝所となってしめ縄付きの柵に囲われた石がある。ここから白山を拝むのかこの石が白山の代わりか。いったいこの山には不明なことが多いというか、小生がものを知らな過ぎるというのか。//絵師 到
           
            とんでもない

長い石段を歩きながらどうしてこんなにきれいになってるのなどと言っていたら
●初めて人に会いました。祠から出て来た箒と塵取りをもったご婦人がぼくらに腰を折って深々とお辞儀してくれたのです「ごくろうさまでございます」といいながら。これじゃあ神様扱いだ。うかと踏み込んだがここは神の国だったのです。間違わないで、僕らは外界の人間です。//絵師 到
           
           この世の光

随神門までもどるとちょうど人が入ってくるところでした
●その人は明るい光の中に溶けてぼうっと揺らぎこの世のものとも思えません。いやあれがこの世なんだ、自分がいるのがあの世だったのだと思いなおすと夢が覚めるようで、短い時間離れただけなのに現世はとても明るく軽く爽やかで懐かしいものに感じられたのでした。//絵師 到
             
             芭蕉象


山頂の出羽三山神社前は広い駐車場があり土産物屋が観光客を呼び込んでいました
●長い参道は杉の大樹におおわれているといってもそこは山頂、空が明るく開けています。ここでは紫陽花が最盛期でそのむこうに芭蕉像が見える。ほんとに芭蕉はすごいですね、こんなところまで細い険しい山道だったろうに。お陰でいま俳句は全盛期だということですよ。//絵師 到
           
            広く明るい

杉が立つ広い境内には沢山の建物があり大きい会場では踊りが披露されています
●人もおり社の朱が緑の中に見えるので先ほど麓の森で感じた痺れるような重さがここにはない。少し物足りないけれど怖がらずに散歩ができそうです。ユウサンの自然学18「燕岳登山 アラカルト」ガスのかかった山頂とかわいいイルカ岩の写真付き。ご希望の方へ転送。//絵師 到
             
             人だかり


気持ちの良い境内だが黒川能がもう始まっている時刻なのでゆっくり散歩していられない
●どこだろうと広い境内を見回すと社の周りに数人の人がちらばっています。江戸や日光や成田山にあった舞台や観覧席を想定していたからなんだか拍子抜けしましたけど。そうですよねここは羽黒山中だし、そういやバス会社の人が花まつりでも混みませんと言ってたわ。//絵師 到

              
              少年

能が始まっていたが外の明るさに慣れた目には中がよく見えない
●観客は縁側や演じているすぐわきに敷いた茣蓙に胡坐をかいたりしている。演者の衣装が顔に触れる程の距離なのです。暗さに目が慣れてくると謡っている人の顔もわかってきてなかに少年の顔が見えると安心というか安堵というかね、受け継がれてゆくんだなあとね。//絵師 到
            
            寂しい昼に

孫が帰った昨日のお昼 「荷風がいた街」を読みながら甲子園を見ていたら兄から電話
●「いま黒川能をやっている」と。急ぎBSプレミアムに切り替える。1:20まで長い構成で黒川の人と風土を見せてくれました。どんな人が農業の危機を乗り越えて生きて来たか、信仰とともに能がいかに黒川の人々を結び付けて来たか教えてくれた。いやあ良い一日でした。//絵師 到
              
              強い人

最近愛読のブログ 秋田県立近代美術館の「館長のつぶやき…」で 
●河野元昭先生は7月に1日で橋本五葉展 空海と密教美術 孫文と梅屋庄吉 明清陶磁の名品 歌川国芳展 と5つの展覧会をご覧になり翌日は浮世絵国際・・・展の会議をしたら疲れたかその夕は酒が早くまわった、昔はこうではなかったのにって。そこを嘆きますかね。//絵師 到

           
           儀式殿を仰ぐ


最近愛読のブログ 秋田県立近代美術館の「館長のつぶやき…」で 
●河野元昭先生は7月に1日で橋本五葉展 空海と密教美術 孫文と梅屋庄吉 明清陶磁の名品 歌川国芳展 と5つの展覧会をご覧になり翌日は浮世絵国際・・・展の会議をしたら疲れたかその夕は酒が早くまわった、昔はこうではなかったのにって。そこを嘆きますかね。//絵師 到

             
             楽屋裏


儀式殿をいろいろな角度から眺めているうちにふと思い立って裏へ回ってみましたら
●杉の木陰に茣蓙が敷いてあり、日焼けした能役者たちが着替えたり横になって休んだりしています。お盆に湯のみが沢山あり一升びんが立ててある。とても面白く取材したかったのですけどねえ、楽屋裏を覗くの無作法ですわね。何気ない振りで素早く見てお別れしました。//絵師 到
              
              人出


今日は花まつりだから沿道にも境内にも造花が飾ってあり法被を着た人が
●すごい人出だとにこやかに話しています。でもこれぐらいではちらほらと感じられるの。それは神殿や境内が巨大だからでしょうか、それとも祭り=凄い人混みと思うのがむしろ不自然なのでしょうか。ユウサンの自然学19「霧ヶ峰・美ヶ原高原の変遷」届く。ご希望次第転送。//絵師 到
             
             三山神社


出羽三山神社の社殿は屋根だけで画面いっぱいになるほど巨大なので
●前にある鏡池をぐるりとまわって広場を外れたところから眺めることにしました。ここまでは観光客も来ず祭りの音も聞こえません。家内はどこかあのあたりで俳句手帳をもっているでしょう。こういうとき一人で好きなように歩けるのでケイタイ電話というものは便利ですね。//絵師 到
             
              好奇心

本道を外れた場所にいると思っていたらそこへお祭り関係者の一団がやってきました
●やったぜ。こんな面白い題材に会えるとはね、やっぱり絵描きに必要なものは好奇心と行動力だ。裏に回り近づき離れ歩きまわってはじめて得られる光景があるなどと自分を褒めましたな。なにしろ絵描きは「衆人皆醒め 我獨り酔う」の世界に住む人種なものですから。//絵師 到
              
              山伏


金剛杖をもった山伏に1枚撮らせてと手真似で頼んだらこんなポーズで応じ
●撮影後に有難うという小生に気を付けの姿勢から90度のお辞儀を返してくれました。いったいここではだれにでもこんなに丁寧に挨拶するのかそれとも外来者にはそうする文化なのか、それとも・・・小生が敬意を表していただける年恰好になったということなのでしょうか。//絵師 到

              
              クイズ


日本で一番銅像が多い人はだれでしょうと家内に訊いたら「二宮金次郎」
●まちがいない。では二位は? そうねえ芭蕉かな うんきっとそうだね。小生が見ただけでも江戸の芭蕉会館 中尊寺 山寺 羽黒山 そしてここ象潟。はい秋田県象潟に来ました。300年前芭蕉が来たときここは海と島だったとか。300年ってついこの前のことですよね。//絵師 到

              
             優しい


芭蕉から300年 ここが陸地になってから200年ならついこの前のことですのに
●歴史的な案内板を読むとまるで自分が昔の人になったように感じられます。そう言えば羽黒山のご婦人も山伏さんも丁寧に挨拶してくれたなあ。いやいや出羽の方だけではない、最近電車に乗っても立っている暇がないほど皆さんさっと席を譲ってくれる。やっぱりそうか。//絵師 到
            
             九十九島

芭蕉が来たころのまだ海だった景色を見たければ5月初旬においでください
●この田んぼに水が入っていますからと地元の人が言う。この前に来たのは仙台勤務のころだからもう20年以上も前のことだがその時も青田だったなあ。ユウサンの自然学20「温泉の新たな評価基準」届きました。温泉好きの方是非ともお読みください。ご一報次第転送。//絵師 到

            
             ギボシ

芭蕉の頃の海を想わせる池があり岸には舟繋ぎの石が残っています
●芭蕉は船で先ず能因法師が3年間籠って修行したという能因島を訪れその後3日間島々を巡って遊んだといいます。小生がいる松林は沢山の島々の中でただ一つ人が住んでいてその住所表示が「島」。水色の花を咲かせているギボシは以前来た時にも見ましたね確か。//絵師 到

             
             蚶満寺


松林が参道となっており奥に曹洞宗蚶満寺の全体を板で覆った山門が見えました
●立派な彫刻を施した格調高い姿ですけど親しみが感じられるのは小ぶりなせいでしょうか。そのてん漱石がくぐった鎌倉の巨大な厳つい門とは趣が違います。漱石先生こちらの門だったらよかったのにねえ。いや駄目か、それでは俳句はできても小説にはならなかったか。//絵師 到

             
              西施

50年も前のこと銀座のスナックで会社同期の4,5人が飲んだ時のことを思い出しました
●セイシと読む漢字を沢山挙げて遊んだのですがとても多いので驚いたものです。今回驚いたのは広辞苑に最も長い説明で出ている西施が、新明解には載っていないことです。おいおい本当かね、悲しくないかそれじゃ。もう一度確かめましたがやっぱりありませんでした。//絵師 到

              
              基準

西施を載せるかどうかで多くの方から教えていただきました ありがとう
●@辞典と事典の違い:一応わかるが、新明解には個人名でも孔子や孟子や老子があるA大きさの違い:自ら広辞苑に草稿を書いたヒンディー語の坂田さんはこれに大きさを加えている。分かります、西施がなくて寂しいか、すまん載せる余裕がないのだと言われたらね。//絵師 到

             
             六地蔵

砂地を踏んで蚶満寺境内にはいると左手に海と島々を望み右手の木陰に六地蔵を配す
●良い眺めですな。ところで先日「タイの政治情勢」をくれたフジイサンから今度は素晴らしいエピソード「石川さゆりとの3時間」が届きました。ご希望の方へお福分けしますのでご一報ください。昨日7人の第3回近所懇親会で酔い夕方からいままで10時間眠り続けました。//絵師 到
              
              心の窓

昨夜は日本のサッカーは強くなったとかすむ目をしばたたかせました
●毎日朝から5分と間を置かずpc⇒絵描き⇒本読み⇒tvの生活です。本は常に平行し、いまは平山郁夫「道遥か」紀和鏡「夢熊野」室生犀星「我が愛する詩人の伝記」ライシャワー「ライシャワー自伝」坂口安吾「桜の森の満開の下」です。これでは心の窓がかすみますよね。//絵師 到

             
             三度の門


松林から眺め内側から見た山門をもう一度振り返りながら
●夕方となった蚶満寺と池に立つ観音様にお別れしました。今日の仕上げは日本海の夕焼を列車から見るという趣向です。秋田発の上り列車はこれを逃すと2時間後だからと急いで駅へ向かう。ああ良い一日だった、それにしても芭蕉さんよくこんな遠くまで来たものですね。//絵師 到
            
            月の鳥海山

日本海の鳳凰雲の夕やけが終わってふと後をみると晴れだ鳥海山だ満月だ やっぱり
●良いことをすると報われるわ。いや、なに良いことしてなきゃこんな景色を拝める訳ないです。小生の絵ッセイは創り事と申し上げておりますがこの景色だけは見たとおりです。さてユウサンの自然学21「後立山連峰・五竜岳の地形と地質」写真付き、届く。ご一報次第転送。//絵師 到
             
             門の跡

いまは公園と神社である鶴岡城内を歩き脇道へ出てくると門跡を示す杭がありましたが
●門らしいものはなにもなく、そこは建築か庭木用の木材やブロックなどの置場になっているのでした。まさかそんなところを絵にするなんて考えなかったのでしょう。でも居るのですよ物好きが。各々方油断めさるな。鶴岡はどこか昔の物が放置してあるという印象でしたな。//絵師 到
             
             船着き場

この川は酒田に通じており往来や物流に重要な役割を果たしたようで
●芭蕉がここから舟に乗ったと案内板にありました。今ではむしろ藤沢周平の「蝉しぐれ」に書かれ映画の一場面に使われたということの方が受けるようです。いずれも文学が基にある。100年後にも文学や美術の街であってほしいものです、この穏やかさを保ったままでね。//絵師 到

            
             蝉しぐれ

「伏せて」 文四郎はお福に警告した(渋沢修平「蝉しぐれ」)の川です
●面白いものがありました。我がヒンディー学のサカタサンがインドの電子新聞(8/1JAGAT JINDAGI)で写真入りトップ記事になってるの。ジンベエさんを着て散歩中に突然インドオペラ(ラース・リーラー)の劇場で500人に挨拶してといわれたらしい。ご一報次第転送。//絵師 到
            
            繁華街の橋

最近は駅前に大きなショッピングセンターができ街の中心が移っているように見受けましたが
●サカタサンにインド・オペラのお客に挨拶せよというにはジンベエ姿だけではなく「ラース・リーラー」を日本に紹介した人だからだとわかりました。日本語の論文を入手しましたのでご希望あれば転送します。北インドでは知られた顔だったのですね。毎年やってくる研究者で。//絵師 到

             
             大寶館

大正天皇ご成婚記念に建てた堂々の人物博物館ですが どういうものか小生は
●建物の外観に関心があって展示物を見ないくせがあります。もう一つの教育に関わる文物や庭、建物を展示する致道博物館は閉館時刻になったので見られませんでした。そちらは20年より前仙台に勤務していたころに描いた憶えがあるので、その絵を探してみますね。//絵師 到

             
              自転車


大宝館の玄関前に自転車がありまして絵にするのに具合が良い
●小生らが鶴岡についたのはもう夕方だったので1時間で市内をまわってくれと駅前でタクシーに乗りました。街の真ん中に城址公園がある鶴岡は自転車がちょうどよいほどの街です。1時間ぐるぐる回り方角もわかったし運転手さん話面白かったよ、ここから歩きますね。//絵師 到
            
            26年前の絵


26年前仙台に単身赴任したとき家庭通信用に描いた絵がありました
●自分の絵があまりに下手になっているのに驚き、早く中学時代の力を取り戻そうと懸命に描いたのを憶えています。ボールペン+クーピーペンシルです。なかなか素直な良い絵ですね。さてユウサンの自然学22「梓川水系の揚水発電所」届きました。ご一報次第転送します。//絵師 到

            
             昭和60年

もう一枚26年前のはがきを見てください 致道博物館は昔の郡役場でしたか警察署だったか
●表には家族あてに日記風の通信記事がありまして、日曜日に得意先の問屋さん2社とソフトボールの試合をし、お父さんは2試合とも完投勝利。その後バーベキューパーティ、テニス、酒飲みでふらふらになって帰ったと。46歳ってのはすごいものですねえ、若かったんだ。//絵師 到
            
            夕方の噴水

藤沢周平が五間川と書いた内川の川端から「雪の降るまちを」の舞台という
●鶴岡城の辺りを散歩すると桜に囲まれた濠では噴水が輪をつくり白鳥が台の上で休んでいました。そろそろ夕方だね、われわれも宿に帰るか。ビールを頼むと女将が おや今夜はビールでいいんですか いや一口飲んだら鯉川酒造の「別嬪」を頼みますよ人肌にしてね。//絵師 到


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