絵師到/冬の散歩 in 2012

絵師は2012年初頭から秋田方面に取材旅行に出かけました。そして帰るなり早々に日々制作に勤しみ待ち望むフアンに配信してくださっています。溜まってきたので私もここに展示させていただくことにしました。(1月下旬~//がん)
 
ねえお母さん どうしたらおとなになるの? 4歳?5歳? 6歳ならおとなになる?
●おとなになったらなんでも自分でできるの。わたし5歳でおとなになる ともいう。ははあそういう意味だったか。とびとびにしか会わないのでしっかり聞いていないと話がわかりません。まあ見られるほうも大変ですよね、パスタが一筋吸い込まれるところまで観察されちゃあ。//絵師 到
 
いつものようにいまも数冊の本を並行して読んでおりそのうちの一冊は
●瀬戸内寂聴「奇縁まんだら」(全4巻)で大勢の人が登場します。その文章も面白いのですが小生には横尾忠則の絵が魅力なわけです。一クセ二くせ三癖ある作家や歌手の写真をも一つ癖ある横尾が絵にして見せるわけでね。でもこちらは"もうすぐ4歳"の幼子でして。//絵師 到
 
角や馬のタテガミのついた鹿の面を高々と頭上にたてて
●太鼓を打ち鳴らしながら踊るのはなかなか疲れるしごとのうえ、いかにも鹿らしくときには跳ねて見せました。一行が控え場所らしい建物の門をくぐると境内はまたもとの静かな森に還ったのです。ついてまわった私たちもそろそろ中尊寺参詣をきりあげることにしましょうか。//絵師 到
 
●作者の言葉:北のこどもの森へ行けば絵にする材料があるだろうと来てみました。いるいる子どもが木馬で遊んでいますよー。早速撮影しながら名前をきくと「早穂子ちゃん」ですって!なんと我らが母校と同じ名前ではありませんか。20年後に稲門八千代の会員になってくださいね。そのころ卒業は秋になっているかもしれませんし、まだ紙の『稲門八千代』が発行されていますかねえ。ちょっと将来のことを考えた寒さの残る2月の午後のことでした。
 
8人の踊り手が1列であるいは2列で縦になり横になって
●跳んだり走ったりするのはさすがに山の踊りです。対照的に思い出すのは海の人の踊りで、紀州新宮は三輪崎の鯨踊り。9/15の祭りに浜で見られると思うけど、まあその前に検索してご覧ください。双方勇壮にして優雅ですが山の民と黒潮民族の違いを感じるでしょう。//絵師 到
 
いま流行りの言葉で言えばナマ鹿踊りですが
●8人の踊り手が太鼓を打ち鳴らしながら走り跳ねくるくる回りときに低く構える。広場で踊ったあと金色堂の前でまた踊りました。40枚以上ある写真を見て興奮して撮影したのを思い出しました。さて中村雄二氏「防長の自然学散歩3東鳳翩山」届きましたご一方次第転送。//絵師 到
 
太鼓をたたきながらやってきたのは おお!鹿踊奉奏の一団ではありませんか
●写真では見知っていたけれど本当にそれが目の前に現れるとは、しかも金色堂の前にです。●昨夜は河野元昭先生の日本人の美意識の根幹に関する講演をききました。大きなよみうりホールを空席なく埋めた聴講者が感嘆の声と笑いと拍手を続ける堪能の90分でした。//絵師 到
 
今回は初めて冬の平泉を歩いたのでご覧のように大喜びしているわけですが
●まあこれは予期した満足なのですね。ところがときには予期しない見ものにぶつかることがあって驚き取り乱すほど喜ぶことがあるのです。それが平成12年10月9日の平泉の旅でして。そのときはこの辺りを家内と歩いていて集団で打つ太鼓の音を聞いたのです。何ごと?//絵師 到
 昨日の絵で遊んでみました
●空の明るさを残して全体を少し暗くしたのですがいかがでしょう。夕暮れの感じになったと思いますがどうしても先の絵のイメージと比較することになりますのでねえ。初めからこの絵を見ていればそれはそれなのですが。ところで新しい筆はなかなか使い方が難しくてですね。//絵師 到
 
夕暮れが近くなった中尊寺には人影もまばらでなんだか寂しいけれど
●金色堂の灯りが温かく感じられました。そこを強調するにはもっと全体を暗く描けばいいのですが、やりますかねえ。そうだクジャクが羽を広げたような形の最近買った筆を試すにいいかもしれないなあ。ま、取敢えず見なれた角度からの絵をお届けしてからのことにしよう。絵師 到
 
この夕陽は他をも照らしているのだけどこの庭ではまたちょっとちがっているのね
●そこはやはり舞台装置というものでしょう、特にありがたく感じたわけで。するとサワノサンが「この黄金色が金色堂の色につながったのだろう」と。そうか、そうだねきっと。描き手の意図を超える感想に会うのは幸せです。夕暮れが近い、急いで金色堂へ行くことにしよう。//絵師 到
 
これまで幾度も訪れましたが夕方の毛越寺は初めてです
●しかも美しい冬の陽が雪の庭に射すなんてね、日本人としては夕陽に仏を感ずるのは不思議ではないでしょうがあまりにもぴったりで。じつは正直言うと池が雪に覆われているところまでは想定していなかったので一瞬戸惑ったのですけれど、いやあありがたいことでした。//絵師 到
 
先年アケヤマサン、スミエサンと3人で来たときの池 浄土も初夏が住みやすいようです
●ここ数日方言の優しさを伝えるmailをいくつも頂きました。追想小説「かな子ヴァイオリン」(星雲社)で秋田を美しく描いている河野光子さんからは秋田言葉の短歌を貰ったので。//絵師 到
 藁づとの納豆マントの下から出し
 「一本30円買ってけれおがさん」
 
                        河野光子
 
1100年後にも夕陽の池を見ながら浄土を思うことを想定していたでしょうね
●昨日は毛越寺を書き間違えた、しかも言われて初めて気がつくなんて。決して変換ミスではありません、その前にモウツジかモウツウジか、何故越をツやツウと読むのかと調べた挙句のことですから。残された時間は短いようですね。いやもうお浄土にいるんじゃないかしら。//絵師 到
 
昨日曉烏敏の名を間違えて明烏敏と書きましたすみません
●中学生が曉烏談話を毎週聞いていたというのは我がことながらさすが加賀。談話の速記録があれば読みたいけどなあ。ところで旅は平泉の毛通寺に参りました。池がすっかり凍って、いやあ夕陽が似合いますよねえ。右肩の印は山本幹三様作「無礙光」で阿弥陀様の意。//絵師 到
 
盛岡から各駅停車に乗っています まだ明るいけれど伸びやかな
●それでいて陰になった所は急速に寒くなってゆくこの景色を優しく描こうと思いながら。冠帽印は無礙光でと思ったら突然、中学時代に金沢で毎週日曜の午後「明烏談話」をラジオで聞いていたことを思い出しました。明烏敏という方のことも名前さえも知らなかったけれども。//絵師 到
コノヤロー!  南部杜氏の里を午後の陽がやさしくつつんでついうとうとしたくなりました
●ああそうだ、浅田次郎の「壬生義士伝」です。新橋で飲みながら面白かったと言ったら飲み仲間が「ほーお、おまえさんにはあれが面白いか。オレは泣いたけどな」だと。おのれオチ 恰好つけやがって。いかん、優しい話だったのに乱暴な言葉使って、おもさげながんす。//絵師 到
 言葉はいまもいきていますよーとミツコさんが
●下閉伊郡花泉町に住む友人から餅をもらったときなどお礼を送ったりすると電話がかかってきて「おもさげねがったあ・・・」って。優しいよなあ南部は・・・。で、南部を語るとつい思い出すのはあの小説。週刊連載で読み単行本で読みTVでも映画でも面白かった浅田次郎の。//絵師 到
 岩手山は渋民からみると富士山と同じ形なのですが
●こちらからは南部片富士となって、小生にはその方が好ましいですね。この麓に近づくとあの滝沢村ですよ。いや一人合点で申し訳ありませんがチャグチャグ馬っこの村で。片富士を背景に馬っこが行進する。出発点まで盛岡駅前からバスが出るから是非おいでください。//絵師 到
 
昨日は話が小繋からインドへ飛び字体もいつもと違って「?」だとmailを頂きました
●そうでしたね、おもさげない。え、これも通じませんか。おもさげない:南部言葉で「申し訳ない」。いまでは使う人はいないかな。今日の山は岩手山。この辺りに生まれ育った人には北上の岸辺や山々はありがたいでしょう。仕事で走り回った小生にも忘れ難い景色です。//絵師 到
 
ヒンディー語の坂田貞二さんから教そわったのですが
●インドには土地所有権という概念がもともと薄く、耕作権が中心だった。そこにイギリスがやってきて徴税権者を土地所有者とした。タゴールが父親の土地の一部をもらって大学を創ったのも、父親が徴税権者⇒土地所有者になったおかげ、ということらしい。渋民村晴天。//絵師 到
 
この近く一戸の小繋集落に起きた入会権裁判は入会権と法社会学上の大裁判となった
●2/22の朝日新聞一面に「小繋事件裁判資料集」(不二出版DVD版15万円超)の広告が載っています。50年に及ぶ裁判には早大法社会学研究会が深く関わり一生をかける先輩も出た。学生時代に末流にあった小生は今もこの地名を聞くと熱くなって・・・・ごめんなさい。//絵師 到
 
渋民の村も山もさすがに積雪季には厳しいけれど
●姫神山は近くに聳える岩手山に恋をしたが噴火しては溶岩を身体に鎧って威張っている彼には通じなかった。かねて姫神山に思いを寄せる早池峰山は岩手山の無神経さに怒り、それから岩手山とは仲が悪いという。南部の民話は優しいです。ええこれはその姫神山でね。//絵師 到
 
大館で奥羽本線から花輪線に乗り換えて盛岡までおだやかな天気でした
●右に高々と八幡平を望み左に陸中のなだらかな丘陵がつづく。秋田との境で雪を降らせた風はめっぽう冷たいがこちらは温かな車内に居るわけで。さあもうすぐあの山々が見えてくるぞ。ええ、啄木が讃えたふるさとのですね。いやさお富久しぶりだなあ~ あ、いけねぇ。//絵師 到
 
あるだけの雛を飾りて二人住み  明子
●今日から3日間孫が遊びに来るので妻が玄関に雛人形を飾りました。小さな紙雛や加賀の起き上がりと一緒に長州の大内人形がなんと3組もありまして。我が家の玄関美術館にはいっぺんに春が来たようなので、気持ちばかりですが絵も少し春めいた感じにしてみました。//絵師 到
 
今朝の朝日新聞の歌壇 富山市の母子らしい3人の歌が選にはいっています //絵師 到

今日はもう車の発掘あきらめてリュックで雪のスーパーへ行く  松田由紀子
 大雪の朝軍手はめ走ってく一年六区組除雪当番         松田梨子
 この雪を降らせる雲が弾いているトルコ行進曲が聞こえる    松田わこ 
 
東北の冬の散歩はまだ続いています
●八郎潟を後に内陸へ能代平野から鷹巣盆地をぬける。奥羽本線の左に見えるのは秋田と青森との間にたつ豪雪の山々で、右手は阿仁でしょう。阿仁といえばマタギで知られる地域です。先年行ったマタギ博物館では熊の毛皮やカンジキや珍しい狩猟の道具を見たっけ。//絵師 到
 
おばあちゃまから三代で磨きにみがいて完成した早穂子のおでこ
●我が家自慢のおでこだのにおばあちゃまが「もうすこし小さく描いて」と。元祖がそんなこと言ってどうします。いつも行く吉祥寺の髪の毛屋さんのおねえさんが「このかわいいおでこを見せましょ」といって前髪をスパッと切ったのはさすがにちょっとやり過ぎとは思いますけれど。//絵師 到
 
ニュースを見てご自宅へブルーリボン賞のトロフィーを撮影に伺ったことなど思い出しました
●第一回の賞に輝いたが授賞式にはブロンズ像が間に合わず渡された横山泰三作の素焼きの像はそのご寝そべる少女の足が欠けていたっけ。チャーチル会50年誌に載せた展覧会準備で床に膝をついて奮闘する女優の写真は当時会員だった小生撮影の自慢の1枚で。//絵師 到
 
昨日2/15の朝日新聞(夕刊)に高階秀爾先生が中学生時代に疎開したときのことを
●「雪国の想い出」と題して美しく書いていらっしゃる。この見上げる大先生に先日千葉市美術館で河野先生が突然小生を引き合わせてくださいました。まさかと思っていたことでおもわず姿勢を正しましたが、こんなに緊張してご挨拶したのはさあて何時以来のことでしょうか。//絵師 到
 
遠くに見えていた男鹿半島に近づいて分かりました 
●冬空の下に毅然たるこの山は左から毛無山、本山、真山の三つの嶺からなる男鹿三山で10キロ縦走するのがいまでも男鹿の若者には必須体験だそうです。もう一つ山口県にも火山があるという話 ユウサンの「防長の自然観察2」が届きました。ご一報次第転送します。//絵師 到
 
翌朝早い奥羽本線が八郎潟をかすめて走っているときに思い出しました
●福田豊四郎が画文集「わがうたはふるさとのうた」に「八郎湖」と書いているという河野談話をですね。また八郎潟干拓に反対した話も。この故郷恋いの画家には将来の姿が見えていたのだろう。雪原を見ているといろいろ思い出す。遠くに見えるのは寒風山か毛無山か。//絵師 到
 
外には秋田近美で観賞したばかりの名作「山河」(桜庭藤二郎)をおもわせる月が出ており
●車内では歌壇 俳論 参加の文化 歌舞伎 戦争 福田豊四郎の八郎湖 ・・・と途切れることなく展開しました。でもここでは昨日に続き教わった歌を一首記すにとどめましょう。//絵師 到
 炎あげ地に舞い落ちる赤旗にわが青春の落日を見る   道浦母都子  
 満月の雪原を空港まで碩学と過ごした1時間を
●どう表現していいのかまだ言葉がまだ見つかりませんので、そのときに教わった歌のうち一首をここに記すことにいたします。//絵師 到
  産むことを知らぬ乳房ぞ吐魯番の絹に包めばみずみずとせり  道浦母都子
 
河野先生は今日秋田空港から帰るために4時に美術館を出る予定と聞いたので
●今夜の泊りは横手にしようかと思っていたがとっさに秋田市内と変更して、では空港まで同乗させてください。よしこれで1時間先生を一人占めだ。丘を下りながら、冬の空に低くでているのは月ですか夕日ですか。美術館の方が「え、ああ あれは月ですね」。今夜は満月。//絵師 到
 
秋田近美6階窓から丘を一人占めしました 芽吹きのころにまた来たいですねえ
●美術館は壁の内側が勝負だろうとはおもいますが、観賞で疲れたときに外を眺めるのがまた楽しみです。上野国立博物館の裏に広がる林も東京芸大美術館の小径もね。ああ、出光美術館からの皇居ね。は、足立美術館!対極の美だけど良い勝負じゃないですかここ。//絵師 到
 
この日ここまでの山形はさほど降っておらず横手や秋田はお天気でした
●とつぜん決めて飛び出してきたのですが雪の隙間を縫う幸運の旅だったようです。何しろこの前日河野先生は雪で秋田空港に降りられず羽田へ引き返し、次の飛行機は降りたが横手までの"在来線"が不通だったそうですから。その後もきびしい雪の日が続いています。//絵師 到
 在来線などとひとからげにして呼び捨てられていますがこれは奥羽本線ですぞ といっても
●山合いを走る本線は白い道路のような感じです。昨日の絵は雪を被った線路と駅舎なのですが多くの方からこの建物はなにかと訊かれました、すみません。今日の絵は右の窓からの景色です。といった具合に先頭車両で右をみたり左を覗いたり歩き回って忙しいことで。//絵師 到
 
ああ ポンユー(朋友)とは耳慣れない言葉でしたか 最も親しい友人を表す中国語で
●こう呼ばれるのは極めて光栄なことです。講演の後で館長自ら館内を案内しギャラリートークを展開してくれました。居あわせた方々も大喜びです。小泉淳作先生が翌日亡くなるとは知らず大作「春を待つ鳥海山」をご当所秋田で観賞したのはなんという巡り合わせでしょう。//絵師 到
 
会場に入ってこられた河野先生は驚かれたようですが
●真ん中に陣取った小生を聴講者に朋友(ポンユー)と紹介してくれました。恐縮です。2時間の講演はずうっとメモと肯きと笑いが続きました。この講演は秋田県民のお金で賄われているので潜入の千葉県民としては申し訳ありません。今夜酒場経由でお返ししますからね。//絵師 到
 
無理を通す昔からの手法とはまさか袖の下などではと仰いますか 教えましょう
●その手法は場によって千変し万化するのさ。今回は誠心誠意で心情吐露の方式でね。そうですかわざわざ千葉から雪の中をわが河野館長の講義を聴きにねえ、見ればご年配。戸は閉めましたが北側の窓からお入りなさいと。むこうから解決策を提案してくれる。いかが?//絵師 到
・本日9時NHK日曜美術館「尾形光琳筆紅白梅図屏風」に河野元昭先生がご出演です。
 
昨年の冬横手に来て昼飯を焼きそばにしたことを思い出しながらタクシー乗り場へ
●秋田近美はふるさと村といったかしら秋田の物を展示してある楽しい施設と同じ場所にありました。雪の中を集まった聴講者が会場に詰めています。小生は事前の申し込みをしていないのですが、そこはそれ昔からのあのやりかたで。秋田県民のみなさんごめんください。//絵師 到
 
雪を描いたというのは明らかですよね でなきゃこんな景色は描くことないでしょ
秋田県立近代美術館clickしてくださいな。まず森の中というか丘の上にT字型に聳える壮大な建物が凄い。ブログでは「館長のつぶやき…」が人気ですからお読みください。1/8の記事に小生が登場してます。予期せぬ現れ方で驚かそうとの思惑は成功したようですよ。//絵師 到
 
こんなに雪ばっかりじゃあ絵にもならない
●山形新幹線から奥羽本線に乗り換えていよいよ佳境に入った感じですけどね。そろそろ買ってきたサンドイッチで午後の山場である館長講演に向けて腹ごしらえとしますか。さてニュースです。あのユウサンから「防長の自然学散歩①」がきました。ご一報次第転送します。//絵師 到
 
家があれば家を描いたという感じになりますね白抜きの絵ではなくて
●ところでいま向かっている先は最近は"焼きそばの"横手にある秋田県立近代美術館で、館長講座に出席しようというのです。その河野元昭先生が2/5のNHK日曜美術館「尾形光琳筆紅白梅図屏風」に出演なさいます。実は2/5も横手で館長講座の日ですからお忙しい。//絵師 到
 
水彩画の雪景色というのは盛大な白抜きだなあ まるで複雑なカニッツア図形みたい
●テーマの雪を描かずに周囲で表現するのは面白いです。空や雪山を額縁のつもりで描いているうちその表情に夢中になってるのに気がつくのね、屈折した絵描きの気分が味わえるわけですよ。普通白抜きはわずかな空白なのですがここでは盛大にやれるから贅沢だし。//絵師 到
 
先年「北越雪譜」をお届けした時に隣のホームで雪にかすむ親子を描きました たしかに
●すごく降るときは景色が見えなくなってしまうのね。いま豪雪地帯を走る列車から見ると雪が真横に飛ぶのもしばしばでしたし。でもそれでは絵にしにくいので晴れ間や小降りを描いてるの。雪国の方からはいやいや雪ってこんなもんじゃないよと言われそうですけれどもね。//絵師 到
 
足跡がついているけどこんな所を誰が歩くのかと思いながら
●窓に張りつくように撮影していてふと視線を感じて後座席の人をみると不思議そうにしながら優しい目で、その後ろの客も笑うように見上げていました。おかしくなってつい笑ってしまったら、皆さんも笑った。数ヵ月後春の小川になったらきっと優しい眺めですよね、ここもね。//絵師 到
 
雪を描きにきたのだから喜んで雪景色を描いておりましたが
●ここ数日の日本海側に降る雪には恐れますね、どか雪です。そこに生きる方々にはどんな苦労だろう。小生は子どものころから一か所に何年も住むということがなかったせいかどこに居ても何を見ても旅人の気持なんですが、それでもいま描いてもいいのかなぁこの雪を。//絵師 到
 
サムホールは文房堂が作ったカンバスのサイズだろうとオノサンが教えてくれたので
●神保町の文房堂に訊きました。フランスの1号は22×16cm、これを尺貫法で作ったのが22.7×15.8cmで一般的に流通する。名称はわが社発売の親指の穴がある道具セット由来ですが、4万円ほどのセットの方は製造を止めました。ええ、thumb holeは日本語です。//絵師 到
絵の大きさは葉書1枚ほどを1号とするが2号だけはthumb holeと呼ぶのは何故かと
●チャーチル会で呟いたら先輩が 日本語で2号はどういう意味か お妾さん そのとおり英語でも同じさ あ、some holeですか。危ねえあぶねえ、絵描きは油断ならない。チャーチル会ではこんなジョークが飛び交っていましたが、ほんとどうしてthumb holeなのかしらね。//絵師 到
 
実際に降っていたとおもうと隣町は晴れてるというほど天候は狭い地域で違っていましたが
●それをさらに晴れに描いたり雪雲の絵にしたりと気分で変えるからねえ、絵描きは油断ならないといわれます。会社でも絵描きとしても大先輩のカワモリサンの思い出話ですが、子どもの頃の日記を見たら天気欄に晴れの時には「お天気」と書いてあった。天気はお天気だ。//絵師 到
 
べつにどうということのない街ですが
●短い時間でも雪ばかり見てきたらなんかもの珍しい気がしました。描く気はなかったのですが撮っておいたら、いや面白いではありませんか。いま列車がどこを走っているのかまだ福島県に居るのか山形なのかもう秋田に入ったのか、ただ雪を眺めている幸せに浸って。//絵師 到
 
全日本卓球に新しいチャンピオン出現
●セットオールの7-10から12-10へ大逆転。高い打点からの強打。若い爆発力にあの水谷が老けて見えましたもんね。この子の師匠は誰ですか。これからどうするのだろう。さて皆様の冬の旅、始まったばかりでやっと行程1/8程も来ましたかね。寒い毎日ですご自愛下さい。//絵師 到
 
景色を眺めるのは大好きですが広いひろい関東平野は退屈でね
●そこで持参のおにぎりを食べ新聞を読んでしばらく余裕の時間を過ごします。今回は横手着が1時で講演が1時半ですから昼飯に焼きそばを食う時間がない。東京駅で昼用にサンドイッチを買い足す。写真を撮る旅は手づかみ弁当に限る。あ、その点では肉まんもいいです。//絵師 到
こうして好きなように旅をするには気力・体力・財力が要るとクボサンが仰る 確かに
●ただ小生の場合問題は財力で、ここ数年旅に集中するため沢山ある飲み会はすべて不義理しております。今回は予算が5万円だと言うと家内が「カンパしよう」と2万円くれたので、ありがたいとつい手を合わせちゃった、婚約のときでもしなかったのに。世の中は金です。//絵師 到

 
ちょっと迷ったのですが乗車券は東京ー山形ー横手ー秋田とまわり
●そこからは八郎潟の雪景色を見つつ能代ー大館ー花輪線ー盛岡ー船橋で買いました。宿泊は暗くなった場所で考える、1泊か2泊かは乗換時間と気分次第。一人旅の計画としては十分に綿密、雪の中を歩き回らなくても列車の窓から眺めるだけで楽しめるんじゃない。//絵師 到
 
雪の東北を散歩中ですがここで昨日のニュースを申し上げます
●近所で仲良しのイケダサンが今年も柚子をもいで持ってきてくれました。いつもこれでジャムをつくるのです。沢山出来るから子どもたちに差し入れたりね。橘曙覧「獨楽吟」風に詠める
 楽しみは庭に生りしと柚子の実をバケツいっぱい持ちくれしとき           //絵師 到
 
今回のコースを決めるには横手にある秋田近美に13:30に入れることが第一でそのあとは
●できるだけ一筆書きとなることを考えました。いま乗っているのは山形新幹線で終点の新庄からは奥羽本線ですよー、すばらしいでしょ。で、横手からは秋田経由か秋田内陸縦貫鉄道でショートカットか、いやそれは山の中を抜けるだけで絵にし難いよねと短時間だが迷う。//絵師 到
 
雪を見に行こうと思ったのは東北で紅葉し始めたころでしたが
●雪が降るようになるとどのコースにするかなあと迷い、いつ出発かを決めたのは前の日でした。電話で問い合わせた秋田県立近代美術館の館長講座が2日後の1/8 13:30~と知ったからで。よし明日切符を買い明後日出発、じゃあコースは・・・こうなるとあっという間で。//絵師 到
 
セピア色のモノトーンのなかに柿が温かく見えました
●山形は果物がなんでもできる地域でフルーツラインという愛称をもつ鉄道線があるほどですが、柿はしぶ柿だけのようです。甘柿を植えても渋柿が生るって言ってましたよ確か。しかしそれも商売としては結構でして、あわせ柿をつくる焼酎の市場があるということなので。//絵師 到
 
山形新幹線は雪を巻き上げて疾駆り周辺の家は雪の重さに耐えている
●防府のガンサンから久しぶりに「だいこん」で一人宴会をしたらワタナベマコトさんにあったと。あら懐かしや。新入社員時代に工場の人事課でおせわになった。佐波川でアユかけしてる人を長時間眺めたら翌日「あんた一人でなにしとったん」ご本人だった。鮮明な記憶です。//絵師 到
 この絵ッセイにしばしば登場していただく河野元昭先生の講演予告が昨日の夕刊に出ました
●「『琳派』に見る日本人の美的感覚」 3月9日 有楽町よみうりホール 1000円 1100人 要予約(抽選) はがきで今月中に申込み。記事を見つけられない方はご一報次第送付。山形新幹線は快調です。雪景色が好きな方にもそうでない方にもまだまだお届けします。//絵師 到
 
列車が山形にはいると雪は数分で降ったり止んだりするうえに
●線路際に積もった雪を巻き上げて走るので窓から見えるのは雪ばかりです。まあ雪を見たくて列車に乗ったわけですから満足すべきことですけど、雪しか見えないってのもねえ。と贅沢いいながらもう乗客がほとんどいない車内を歩き回って眺めた景色を沢山お届けします。//絵師 到
 
山形新幹線が福島にはいり雪をかぶった山々が見えてくると懐かしい気分になります
●昔仙台に単身赴任していたころ家に帰った休み明けの早朝、職場に向かう小生に気合いを入れてくれたのが吾妻小富士でした。"さあ俺の仕事場だ"と思うのと同時にどこか嬉しかったのは転々として育った小生の故郷というものに対する憧れだったのかもしれません。//絵師 到
 
暮れに庭師からもらったネコヤナギを窓辺に生けておいたら芽吹きました
1月8日  小泉淳作先生の傑作「春を待つ鳥海山」を秋田県立近代美術館で観ました
1月9日  小泉淳作先生が亡くなりました
1月10日 小泉淳作先生の訃報を新聞で読みました                //絵師 到
 
ヘリコプターの木は菩提樹であろうとサワノサンとユウサンが教えてくれました
●森林組合の敷地内に名札がついている、図書館で調べたとの確認情報ですが、さらに防府天満宮の境内にあるのを拾ったから種を植えるつもりだと。憧れますねえその実証の精神、自分にないだけにね。さて小生はせっせと散歩に出ますればmail展は数日休みますね。//絵師 到
 
昨日の絵で見る限り蝋梅かとノグチサン あの中に種が入っているだろうと
●ならばこれはいかが?葉らしいものの中央から実が下がっているの。沙羅双樹じゃないかと思うのね、くるくる回って飛んできた。"ヘリコプター"とドラエモンの声を真似て言い誰かに聞かれなかったかと見まわしたけど家内が俳句手帳を手に向うを見ているだけでした。//絵師 到
花島観音へ初もうでしましてふとにとまったのがこれ
●枯れた花でしょうか。こんど花が咲いた頃に来てみましょう。花芽がついていますからそう先のことではありません。でもなんという名の木でしょうね、これだけ見て分かります?目を凝らすと冬の林って面白いですね。水辺に来る小鳥を狙ってカメラマンが5,6人来ています。//絵師 到
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